かれこれ1ヶ月前になりますが、まだこの国が秋の始まりの季節だった頃のお話です。
この国の学校制度には遠足、もしくは校外学習と言うものがございまして。
とある千葉県の中学校が浅草遠足と同時に下町ものづくり体験をするということでした。
浅草には、ちょうちんや扇子、鞄など色々なものづくりの職人さんがいらっしゃいますが、今回そのひとつにうちの工房も使ってくださいました。
中学生の皆さまは、私達のような大人と話したくない時期なんじゃないかと
時間になる前から荒川先生といたく気にしておりましたが、
みんなとーっても素直で純粋な子供たちでした。
ちょっと斜に構えているお年頃かと思うのはきっと大人が頭の中で決め付けてしまっているんでしょうね。
さて、まだまだ大きいブレザーや学ランを脱いで、いざ陶芸体験スタートです。
みんなすごい真剣なまなざしでした。
なかなか土に触れる機会などないでしょうから、
土ってこんな素材なんだと実感できる課題があればいいなと思っていました。
嬉しいことに、校外学習ということで少し深めた体験にしたいという
学校様のご意見と合致したので、事前に話し合いを重ねてご一緒に課題づくりに取り組ませていただきました。
そして、土が柔軟な素材ということをテーマにテクスチャーを入れた作品作りをすることにしました。
学生の皆様には、模様を入れるのに身近なものをひとつ持ってきて頂くということにしました。
中には牙をつける作品があったり、
のりの蓋で模様を入れたり、
そうそうこんなのでテクスチャーを入れるのもありました。
出来上がりはどれも個性的でした~。
後日、11枚の嬉しい葉書が工房のポストに届きました。
素直な感想と少し大人な表現を使ったそれはそれは心が温かくなるお礼のお手紙でした。
こういう瞬間、改めて土が人の心に入り込むすごさを知ります。
そして、それに関われるシアワセをじーーんと感じるのでした。
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